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学校法人設立

 

 

 

「学校法人ちいさがた学園 おひさまクラブ幼稚園」設立経過等を掲載します。

2012.7.7 
学校法人設立のために応援していただいている皆様へ

 

--------幼稚園設置認可されました---

2012.12.27

 一昨日、25日付で長野県知事名によりおひさまクラブ幼稚園の設置を認可する旨を書面で受領しましたので、皆さまにご報告します。
 6月の申請、10月17日には私学審議会による申請の承認、11月5日の私学審議会委員による実地調査を経て、12月12日の私学審議会では認可を許可する旨の県への答申がありました。それを受けて、今回の最終回答を得る事ができました。
 やっとたどり着いた感がありますが、新たな始まりです。気を引き締めて、来春4月の新装開園に向けて行動開始です。この間、皆さまには本当に大きなお力添えを賜りました。改めて重ねて感謝申し上げます。
 以下に掲げるのは、おひさま会報に掲載され皆さまに幼稚園設立を説明するための文章でした。その後、様々な場面で皆さまにお届けしてきた我々の主張であります。未読の方で、興味のある方はどうか読んでみて下さい。
 また、今後の幼稚園の開園に向けての予定等は順次お知らせしていきますので、どうか楽しみにお待ち頂きたいと思います。

学校法人ちいさがた学園おひさまクラブ幼稚園設立趣意書より

 学校法人ちいさがた学園は、おひさまクラブ幼稚園の教育活動を通じて園児の家族、地域社会と密接につながり、すべてのこどもたちが大切にされ、人として尊重される社会の実現に寄与することを目的として設立されるものです。

 おひさまクラブ幼稚園は、幼い人たちの生き生きとした遊びと生活のたえまない創造を援助し、見守ります。そして、こどもと大人が共に尊重しあい、学びあい、喜びあうことを教育の基本理念とします。
 そのために必要なことは、幼稚園が、保護者家族、地域に開かれていることです。園の運営に保護者が参画するなどして、豊かな人と人との繋がりのなかで幼い人たちは育っていかなければなりません。

 おひさまクラブ幼稚園は、小規模園として設立されます。なぜならば、園児の保護者と充分に理解しあい、教育理念を共有するためです。
  1986(昭和61)年に私人による幼児教育の場として「おひさまクラブ」が、創立されました。その後、2002(平成14)年にはNPO法人による運営 に転換し、創立以来20年余、年々10名前後の卒業生を送り出してきました。そのなかで、 少数の幼児を受入れ、異年齢での活動を続けていくことに教育的意義を見出してきました。
 この創立以来の経緯も小さな園を掲げる大きな理由です。 幼稚園として設立した後も少数の安定した保護者家族、地域のボランティアなどお互いに顔のよく見える関係のなかで理念を共有し、幼児教育を進めていきま す。そしてこのような教育のありかたには、小さな園であることが不可欠です。

 おひさまクラブ幼稚園は、里山の中に立地します。塩田平の名峰「独鈷山」を望む南斜面に園舍、園庭、背後には適切に整備された雑木林の里山がひろがり、保護者と共に耕作する農園も隣接しています。
  この環境を生かした教育活動がおひさまクラブ幼稚園の大きな柱になります。保護者参画などによる豊かな人的環境に加えて、里山の自然のなかで、さまざまな 生き物とふれあい、かけまわり、どろんこになってのびのびと遊ぶことが、幼い人にとってまずなによりも必要であると確信しています。
 小さな園な らではの長所を生かして、ゆたかな自然のなかでの教育を、保護者家族、地域社会と共に手を携えて進めていきます。これが、家族や地域社会のゆたかさや自然 環境の保全につながり、そして、更に社会や自然からのめぐみが幼い人たちへと還ってくる、このような循環のなかにおひさまクラブ幼稚園を位置づけ、設立し ます。

学校法人設立発起人会開催のおしらせより抜粋
 昨今の社会の情勢は、子どもたちが安心して大きくなるために私たちが多くの工夫をしていくことを余儀なくされるものであります。
 少子化、父母の労働強化、子育ての外注化、等々、子どもや親がのんびり生活を楽しむのが困難な状況であり、それに伴って政策は幼保一体化、つまり小さい子を預けられる施設をとにかく増やそうという方向にばかり向かっています。

 おひさまクラブが創立以来目ざしてきたのは、親や地域社会の様々な人の中で、自然とともに、子どもたちが充分に遊び育っていってくれること、そしてその子どもたちとの暮らしをみんなで楽しむことでした。
  賛同してくださる御家庭とそのお子さんたち数名で歩き始め、ほとんど手探りでおもしろいことをして遊んできました。NPO法人として運営の形も整い、おか げ様で卒園児も200名にせまり、気がつけば創立の春から25年が過ぎました。小さいながらも地域社会にしっかりと根付き、活動してきたと自負しておりま す。

 このおひさまクラブを、現在の理念そのままに、よりしっかりと社会のものにしていきたい。その理念は今の社会の中では少数派かもし れないけれど、25年間の私たちの仲間の思いや努力を地域社会の財産としてさらに育んでいくのが、卒園した人たち、在園の子どもたち、これから生まれ成長 していく子どもたちへの務めだという思いを日々強くしています。

 そのために、おひさまクラブの活動を行政の中で正当に認めさせ、皆様の税負担が生かされる形で安定的に運営されることが望ましいと考えました。
 具体的に申しますと、NPO法人による現行の保育事業を学校法人による幼稚園の運営に転換することです。
  このことは、NPO法人の理事会、保護者懇談会の場等で一年余の間、協議を重ねて参りました。その中で確認された点は、既存の幼稚園になろうとして、その 枠におひさまを合わせるということではなく、むしろ、今までのおひさまを「これこそが本来の幼稚園」なのだと示すことです。改訂された「幼稚園教育要領」 も、おひさまの理念に近づいてきている点も後押ししてくれました。

 なお、学校法人による運営に転換するのは、里山こども園の2歳からの 保育であります。親子ペアのクラス等、保護者も主体的に参加する活動はNPO法人の里山こども園で継続して参ります。また、里山こども園以外の NPO法人おひさまクラブの様々な事業は従来通り継続して参りますので、引き続き御支援のほどよろしくお願いいたします。
 以上、趣意書、発起人会開催のおしらせの二つの文書を示しましたが、これに沿って、補足しながら説明を進めていきたいと思います。

1.設立の経緯(創立時から現在まで)
 設立の経緯を現時点で述べれば、先に示した『発起人会』の文言になりますが、もっと遡って創立時からの経緯をお話しすることで、ご理解を深めていただけたらと思います。
 
 1986年、元保育園保育士の私と元高校教員の妻により、おひさまクラブは始められました。幼い子を抱えた若い夫婦の生業だったのですが、別の見方をすれば、保護者、地域をまきこんだ「子育ての運動体」の性格が色濃かったのではないでしょうか。
 そして理念先行型の運動体の当然の帰結として、その経済的な基盤はきわめて貧弱なものでした。それゆえ、賛同して下さる人々の支援がなければ、運営はおろか幼い子を抱えた日々の暮らしさえ覚束ないものでした。
  少しずつ園児も増え、現在の地に新築移転した頃から、「法人化」については折にふれ話し合われてきました。その時の「法人化」とは補助金を得るために幼稚 園なり、保育園になることでした。補助金を得るとは、運営費の公的な負担を求めることです。それが、園の運営をより健全にし、保護者負担も軽くなると考え られたからです。もちろん、否定的な意見もありました。行政の枠の中に入れば自由で創造的な保育は制限され、おひさまの理念が損なわれるのではないかとの 危惧でした。賛否の意見はともかく、現実は厳しいものでした。学校法人による幼稚園にせよ社会福祉法人による保育園にせよ、その設立のハードルは高く、容 易にクリアできるものではなかったからです。当時、おひさまクラブの持っている資源では法人化は非現実的だったのです。その後、法人化の話題は下火になっ ていかざるをえませんでした。

 新築移転後、園児が増えて、園舍が手狭になってきました。増築が必要でした。増築の計画と同時進行するかたちで、「おひさま後援会」が創立以来の支援者を中心に組織されました。 
  その「おひさま後援会」とおひさまクラブ、そして保護者の会である「おひさま親の会」との三者で実現させた補助金制度についてふれておかなくてはなりませ ん。上田市に四年間かけてはたらきかけた成果は、幼稚園就園奨励費補助金をモデルにした保護者に対する補助制度の創設でした。
 この制度は、無認 可でなおかつ「ニーズが低いと行政がみなした保育」をしている園に対しても上田市は一定の責任を負っていることを明確にしたものでした。おひさまは長時間 や零歳児の保育などは当時も現在もやっていません。それにもかかわらず、上田市は、そのようなおひさまクラブに対して新たな制度を設けたのです。これは、 上田市が、おひさまの保護者の子育てに対して、不充分であっても理解と敬意を表明したといえます。
 しかし、この運動の成果は、理念としては評価 すべきものがあったとはいえ、おひさまクラブの運営上の課題に応えるものとまではいきませんでした。ただ、園の運営を私人によるものから、保護者、支援者 と協同して運営していこうという機運を大きく前進させたことは、明らかです。その機運の高まりの中から、NPO法人化の議論が活発になってきたのです。

  そして、2002年、おひさまクラブは私人による運営から名実共に法人による運営に転換しました。まさに、現在に至る保護者参画による運営の基盤ができた のです。この法人化の成果としてまずあげるべきは、マンパワーです。理念を共有し、創造性と自由な想像力が結集した「人間力」がおひさまクラブに具わった のです。生き生きとした組織による運営がはじまったといってもいいでしょう。
 法人による運営の成果は様々にあげることができますが、経済的な基 盤に関しては大きく前進したとはいえません。そのような中で、学校法人の設立を検討するようになったのは、設立のハードルが相対的に低くなったからです。 おひさまクラブのポテンシャルが相対的に高まったともいえます。継続した運営の年月が、知らず知らずのうちに様々な資源を結果的に蓄積させていたのです。

 ここで、なぜ、保育園ではなくて学校法人の幼稚園なのかを明らかにしておく必要があります。
  おひさまクラブの保育の基本を変更する考えはありません。その観点から、幼稚園なのか保育園なのかを考慮すると、幼稚園であれば違和感がない。自然に移行 できると考えるからです。保育時間、家庭が用意するお弁当、二歳児からの就園など、ほとんどが幼稚園のあり方と重なるものです。 おひさまでは当初から 、「二歳児からの就園」を採っていました。世間では長年たなざらしにされてきた「幼保一元化」が、待機児童解消をスローガンに「幼保一体化」の議論として 現実味を増すにつれ、三歳からだった就園時期を実質的に二歳に早めることになった経緯があります。他にも、幼稚園の保育園化ともいえる傾向があらわになっ てきているのが現状です。うがった見方をすれば「保育ニーズ」をもとに保育政策を進めていけば幼稚園はなくなって、保育園だけが生き残るのだと言いたいか のようです。おひさまクラブはその議論に与(くみ)しません。
 なぜならば、おひさまクラブを今後安定的に運営していく上で、学校法人の幼稚園になるのが自然だから、そのようにするのに過ぎないからです。
 それからの経緯は、先の『発起人会開催のおしらせ』に示しました。

2.NPO法人との関係性
-1. 少数で安定した保護者家族・お互いに顔のよく見える関係のなかでの理念の共有と幼児教育。このような教育のありかたには、小さな園であることが不可欠。(趣意書より抜粋)
-2. 学校法人による運営に転換するのは、里山こども園の2歳からの保育。親子ペアのクラスや保護者も主体的に参加する活動はNPO法人の里山こども園で継続。里山こども園以外の NPO法人おひさまクラブの様々な事業は従来通り継続。(発起人会おしらせより抜粋)
  まず、この四半世紀でおひさまクラブの保育、幼児教育が培ってきた大きな財産のひとつは、こどもたちを取り巻くすべての大人が理念を共有し力を合わせて、 園をつくっていこうという精神ではなかったかと思うのです。そして、この園の活動を通じて、たとえささやかではあっても広く社会に貢献していく姿を幼い人 にも示してきたといえます。これこそが、NPOが持っている特質ですし、決して手放すことのできないおひさまの基盤です。学校法人は、この基盤の上に建て られるのです。

3.学校法人のメリット
 「 …おひさまクラブの活動を行政の中で正当に認めさせ、皆様の税負担が生かされる形で安定的に運営されること」(前掲より抜粋)この点に尽きるのではないでしょうか。
 
4.今後の予定
 現在、申請書類をまとめています。申請は長野県に対しておこないますが、5月中の申請手続き完了が目標です。今年度の申請の期限は6月末です。
 申請後は、私立学校審議会に諮問され、一次審査、現地調査、最終審査を経て、県に答申されます。答申を受けて、県が設置認可をおこなうのは今年の12月末日とされています。

5.「おひさまクラブ」の名称をどうするか
 学校法人の名称を「ちいさがた学園」、幼稚園の名称を「おひさまクラブ幼稚園」として設立発起人会で決議されたことは、すでに報告したとおりです。
  ただし、呼び名は、おひさまクラブに関わるすべての人が、それぞれに様々な思いや愛着を持っています。なかでも、現行の『おひさまクラブ里山こども園』に 愛着を感じている方は少なくありません。幼稚園の名称とはならずに残念だと感じておられる方もいることと思います。ただし、幼稚園名としては残らなくて も、NPOの事業としては、明確に存続しますので安心していただきたいと思います。
 保育事業は幼稚園に移行しますが、保護者、会員が主体的に参加する活動はNPO法人の「おひさまクラブ里山こども園」で継続していきます。大きく容量に余裕が生まれた『里山こども園』に新しいアイディアを注いで楽しい活動をつくっていきましょう。

 最後になりましたが、学校法人設立の機運の高まりと共に、多くのご意見をいただいたこと、心より厚く感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします。

(2012.12.27)

 

  

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